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♥crack an APPLE♥
第6章 さあさあご覧になって

カッと顔に熱が昇ったような気がした。

まるで、秋埜には触られてもいいと、そう言われているようだった。

しかし何か言い返そうと思っても何も言葉にが浮かんでこない。
事実、この男にはこんなに弄られても嫌悪感しか覚えないというのに、秋埜には軽く乳首を摘ままれただけで感じてしまう。



「あ……あなたが、吸血鬼だから……しかた、ないの……!」

「俺に触られると感じるのが?」

「……っ」

「おいおい、そんなんじゃだめだって。お前は今、ここにいるお客様を楽しませるためにここに立っているんだよ。……ちゃんと啼けよ。俺に虐められているときみたいによ」



は、と吐息を耳腔に吹きかけられる。

それだけで、ゾクゾクと電気が走ったような感覚が身体の芯を貫いて、巴月は思わず仰け反ってしまった。

それを秋埜は嘲るように嗤って、そして再び巴月の後ろに回る。

そっと巴月の髪の毛を指で梳いて、露出した首筋をつ、と撫でた。



「秋埜……いやだよ……」

「いい声聞かせてくれよ。……俺じゃなくて、ここにいる観客に」

「あ、あ、あぁあぁーー……!」



かぷ、と秋埜が巴月の首筋に噛み付いた。

目の前が真っ白になって、ぐるぐると渦のようなものに突き落とされたような感覚が襲ってきて、巴月はあられもない声をあげてしまう。



「あぁ、やぁあ……だめ、だめぇ……!」

「おや、どうした急に素敵な声がでてきたじゃないか! もっと、もっとだもっと啼きなさい!」

「ちがう、ちがう……! 秋埜、が……あっ、やぁあぁ……!」

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