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わたしの彼は 甘くて強引
第9章 紳士な意地悪は如何ですか?

「あれ?しょーお兄さん」
「やぁ、こんにちは」
「こんにちは」
翔を見つけた陽子の不安げな顔がぱっと輝いた。
彼女は大人用の大きな傘を両手で握って構えている。
「怖い人…もういないの?」
お母さんを助けるために勇気を振り絞ってでてきたのだろうか
陽子は傘を手離して、母親の脚に抱き付いた。
「ごめんね陽子…お腹減ったでしょう?」
「うん」
「すぐ作るからね」
「うん!」
しがみつく陽子を家の中へ入れて、多恵はもう一度翔に別れの挨拶をしようとする
が、そこで再び陽子が顔を出した。

