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わたしの彼は 甘くて強引
第9章 紳士な意地悪は如何ですか?

―――――
慌てふためく多恵をよそに
陽子はうきうきだった。
こじんまりとしたアパートの一室
リビングのキッチンで多恵が料理を作っている間、陽子は自分の部屋に翔を招き入れた。
自分の部屋…といってもそこは母親の寝室でもあるのだが、陽子は気にしない。
大事にしているお気に入りの人形を翔に見せたり、学校で描いた図画の作品を御披露目していた。
「……ふぅ…」
チキンライスを炒めながら、寝室から聞こえてくる我が子の楽しげな声に耳を傾ける。
いいわぁ、子供は
あんなに積極的になれるんですもの
ジュー~
「何か手伝うことはありませんか?」
「ひゃあ!?……あッ…いえ……大丈夫ですよ」
いつの間にか後ろに立っていた彼の顔が、フライパンを覗いて多恵の真横にあった。
それに小さな悲鳴で答えてしまった多恵
また……翔にクスッと笑われてしまった。

