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わたしの彼は 甘くて強引
第10章 大切な人




「――…」



二人が出て行ったドアを見つめて
黙ってしまった父



《…柚子、俺は帰るぞ》


あの青年は――



《ちょっと怖いけど、時々は優しいの》


娘が話していた
相手の男か……?



「あの柚子と一緒に来た青年はいったい……」


父は栄作に尋ねた。

すると翔が栄作に変わって答える。



「――…彼女の大事な人ですよ」


「……!」


「また彼にとっても…
柚子さんは誰より大切な女(ヒト)だ」


「そうですか…」



柚子の父は意外そうな顔をしてひとり頷いていた。



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