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わたしの彼は 甘くて強引
第4章 犬猿の仲

「…ただいま、紅茶をご注文のお客様には…っ…あちらのバーにてお好みのブレンドをお楽しみ頂けます」
「あちら?」
少し落ち着きを取り戻した店員の示す方に、確かに簡単なバーカウンターがある。
店員が去った後
柚子は席を立って二人に声をかけた。
「…じゃあ作ってきますね」
「ああ」
「……」
彼女がいなくなったテーブル
目を合わせない二人だったが、先に匠の方が口を開いた。
「――で?」
「…ん?」
「お前は何を企んでいる」
「?」
匠のぶしつけな物言いに、翔はわけもわからず首を傾げる
「何故、柚子がお前の職場で働かなくてはならない」
「ああ…そのことか…。働くって言ってもまだバイトだよ」
「同じ事だ」
今日柚子がこの男に会う理由を聞いたら…
なんでも、あいつの新しいバイト先をこの茶髪が紹介するだと?
しかもそれが、茶髪の働く事務所だとは……
俺の知らない間に勝手に話を進めやがって

