この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
わたしの彼は 甘くて強引
第4章 犬猿の仲

「…またあいつに手を出すような事をしたら…――」
「お、おいおい! …ちょっと待ってくれ」
翔は慌てて彼の言葉を遮った
「飛躍のしすぎだよ。俺はただ、法律関係のバイトの方が彼女のためにもなると判断したから…叔父の弁護士事務所を紹介したまでさ」
「……」
「…それに、仮に彼女に手を出したとして」
「……!」
「もう君に殴られるのはこりごりだよ」
「貴様…!」
「――えっ? 匠さん、先輩を殴ったんですか!?」
「――…!」
紅茶を淹れて帰ってきた柚子は、聞き捨てならない言葉を耳にしてしまった。
「……っ」
「ねぇ、今のはどういう意味なんですか?」
「や、俺は別に大したことはなかったんだけれど…っ」
匠を問い詰める柚子と
彼女を上手く言いくるめと、翔を睨んだ匠と
何とかその場を誤魔化そうとする翔。
「…じゃあ匠さんに殴られたのは本当なんですね?」
「…っ…まぁ、そうだが」
「何が理由ですか?」
「理由は…、言うほどの事では――」
「…こいつが俺にボールを投げつけてきたからだ」
「――えッ!?」
痺れを切らした匠のまさかの言葉に、柚子は驚いて翔に顔を向ける。

