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わたしの彼は 甘くて強引
第5章 夕暮れの河川敷

「うぎゃッ!!!」
「――…ッ?」
声にならない小さな叫び声に反応して、振り返った翔
「……!」
そこでは、俯せに転んでしまった小学生が顔も上げずに突っ伏していた。
背中の赤いランドセルはふたが開いて中身を大胆にぶちまけている。
「――…おやおや」
翔はクルリと向きを変え、辺りに散乱した教科書を広い集めると、
まだ顔を上げないその子供の横に片膝をついて座った。
「…大丈夫かい?」
「…うぅ…っ…」
地面に両手をついて顔だけ上げたその――小学校低学年ほどの女の子
よほどの勢いで転んだのか…
鼻の頭も僅かに擦りむけてしまっていた。

