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わたしの彼は 甘くて強引
第5章 夕暮れの河川敷

「こらこら、…あんまり動いたら落としてしまうよ」
「はいっ、翔おにぃさん」
「…お家はどっち?」
別れ道にたどり着いた翔は、一度足を止めて尋ねた。
「…あっち。でも…まだ帰っちゃダメなの」
「…帰ってはダメ…?」
「ママが言ったの。今日はママが迎えに来るまで、公園で待ってなさいって」
「……」
何故だろう
もうすぐ日も落ちる
こんな子供が出歩いていて良い時間帯ではない…。
「あのね、お家の前には怖い人がいるの」
「…怖い…人」
「だから、ママが来るまで帰っちゃダメなんだって」
「――…パパは?」
「……、パパはいない…」
母子家庭か……
「……」
何にしても、少し、
常識のない母親だ。

