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わたしの彼は 甘くて強引
第2章 再会から一年…

「…拗ねてますよね」
「……、…拗ねていない」
「……」
やっぱり不機嫌…
朝からずっとこの調子。
なんでも病院で、お前は医者としての心得がなってないと言われたみたい。
どういうタイミングで言われたのか知らないけれど、普段からこんな態度だったら……
そりゃあ怒られて当然か…。
「だって匠さんはまだ研修医なんですから、先生方にもっと教えを乞うべきです。…謙虚な姿勢は大切ですよ」
「俺はもう研修医ではない」
「…に、してもです」
絶対に謙虚にしてるわけがない…。どーせ俺様全開でしょう
柚子は小さく溜め息をついた。
「くそっ、面倒くさい…!」
「あッ…今めんどくさいって、禁止ワード言いましたよね?正の字つけとかなきゃ…」
「……っ…」
鞄から取り出したメモ帳になにやら線を一本書き足した柚子
匠はしまったという顔つきで奥歯を噛み締めた。
「匠さん、もうすぐ10000円になっちゃいますよ」
「……」
「ホント、直りませんね
この癖……―――
…………っ…きゃあ!!?」
ガシッ!!
「――…!!」
腕を引かれて前によろけた彼女の腰を
匠が捕らえる
「――…いい加減…黙れ」
「……っ」
「……、襲うぞ」
「ご、ごめんなさい…」
細めた目で妖しく見据えられ
柚子は緊張で唾を呑む
「……」
その様子を確認すると、匠はふっと頬を緩めた――

