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わたしの彼は 甘くて強引
第2章 再会から一年…

そのまま柚子を自分の横に座らせて、匠は相変わらず外の景色をぼぉっと眺める。
「……?」
少しだけ、機嫌直った?
彼女の肩に手を回した匠
柚子が横顔を盗み見ると…
その表情は…まるで鼻歌でも聴こえてきそうな御機嫌顔だった。
グイッ
「……////」
胸に寄りかかるように肩を引き寄せられ、柚子はドキドキと落ち着かない
緩くカールした彼女の長い黒髪に匠は指を絡ませると、暇を持て余したように巻き付けていた。
柚子は頭は動かさずに、目だけで車内の様子を確認する。
幸いなことに乗客は殆どおらず、年配の夫婦が少し向こうで会話を楽しんでいるぐらい
…柚子たちを視界にいれる者は見あたらなかった。
「…ほっ」
少し安心
「何だその顔は、……本当に襲うぞ」
「えっ!?」
赤くなった顔を見破られる。
「…いや…、今は…駄目ですよ…っ!!」
「ほぉ…、今は、ね…」
「……ッ」
皮肉な笑みで返した彼に、柚子の身体はびくりと反応する。
それに満足したのであろう匠は、再びその目線を窓の外に移していた――

