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わたしの彼は 甘くて強引
第6章 悪い男

「私は構いませんよ」
「叔父さん、だが…」
「いいじゃないか、翔。何か事情がありそうだ」
「……ッ」
助け舟を出した栄作に翔は申し訳なさげに顔をしかめると、少し考え込んでいる様子だった。
そんな彼を黙って見つめる母娘と、そして柚子
翔は最後に一度、陽子の姿を視界に入れた後で、…ついに折れた。
「…叔父さんが良いと言うなら、俺も勿論構いません」
「……!」
それを聞いた多恵の顔がパッと晴れやかになった。
「有り難う御座います…っ」
「礼は叔父にして下さい。それと、佐原…多恵さんでしたか?」
「…?…はい」
「お話しすることがあります。少しだけお付き合い下さい」
翔は彼女に声をかけて奥の個室へ入っていく。
多恵は慌てて後を追った。
残された陽子のもとに、柚子が駆け寄る
「…大丈夫だよ。あのお兄さんはとても優しい人だから」
「――…知ってる」
陽子はにかっと笑った。

