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わたしの彼は 甘くて強引
第6章 悪い男

「――…」
先輩が、
自分をそんなふうに?
「…でも」
柚子は納得できなかった。
「…先輩の優しさが偽物だと言うならそれこそ……、本当の無償の優しさなんてどこにも無いです」
事実わたしは、彼の優しさに何度も助けられたのだから…。
「――…私もそう思うよ」
栄作は柚子の言葉に笑顔で頷き、自分の椅子にどかっと座った。
「――…だがあるとすれば、親の愛だけは、無償の優しさになり得る」
「…親の…?」
「柚子さんも、子供ができたらわかるだろう」
そう言って、彼はソファーにちょこんと乗っかった陽子に目をやる。
彼女は静かに絵本に夢中になっていた――

