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わたしの彼は 甘くて強引
第6章 悪い男

「…すみません…、あなたを前にすると、何故か素の自分が出てしまう…」
厳し目だった彼の声が少しだけ柔らかくなる
「…ただ俺は、まずご両親に相談してはどうかと思っているんです」
だがそれを聞いて、多恵は首を横に振った。
「…何故です?」
「親には…頼れません。私はもう、勘当同然なんです」
「――…」
彼が訳を尋ねると、多恵はその理由を話し始める。
―――――
十五も年上の男に恋をして、そして陽子を授かった自分
けれど厳格だった彼女の両親は、結婚前の出産を許してはくれなかった。
多恵は親の反対を押し切って、通っていた専門学校を止め、男についてこの地へ来た。
……それほどまでに、彼女はその男を信じていたのだ。

