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わたしの彼は 甘くて強引
第7章 Dr.市ノ瀬

「匠さん…」
「・・・・」
「……」
「…っ…、その辺で待っていろ…!」
「はい、待ってますね」
軽く舌打ちをした匠は回れ右をして引き返していった。
――――
その後ろ姿を見送る柚子は、彼が角を曲がったところで溜め息をつく…。
「…もうっ…本当にすみません。あんな自分勝手で…」
わたしの後ろでは、熊先生がお腹を抱えて笑っていた。
「生意気なあいつが、矢崎さんの前ではいやに素直だ…っ…、…ワハハ……」
「素直!?」
あれで素直!?
「普段の匠さんは大丈夫なんですか?…その…先生方や患者さんの評判は……」
心配になってくる
「あいつに腹を立てている医者は正直いますね」
「やっぱり……」
「…だがどういう訳か…、患者さんにはなかなか人気が高い」
「……え」
熊先生は、納得できないという表情で言う。

