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わたしの彼は 甘くて強引
第8章 油断の代償

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「…ねぇ…!…どこに行くの…?」
腕を掴まれた柚子は大股で歩く彼のペースになんとか合わせながら、無言の匠に恐る恐る尋ねる。
「お前こそ何処に行くつもりだった…!」
「だってあのままあそこに居たら…っ…」
あなたに記事を見せたくなかったし、それに…
「怒った匠さんがあの人を殴ってしまうかと思って…!」
そうなれば、全部あの男の思うつぼだ。
わたしがどうにか説得できたら誰も傷つかずにすむ
そう思ったからだ。
「…馬鹿だなお前は」
「……!」
ぐいぐいと彼女を引っ張って行った匠は、人気のない廊下を通り抜けて
個室型の病室に柚子を連れ込んだ。

