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わたしの彼は 甘くて強引
第8章 油断の代償

「今の俺があの男だったらどうするつもりだ…!」
「…!?」
「もしあいつの目的がお前だったら?」
腕を掴む手はそのままに、匠は柚子に向き合った。
明らかに怒っているのが見て取れる彼のその表情に、柚子は少し怯んでしまう。
「油断はするなと言ってある筈だ…。俺を心配する余裕があるならその前に約束を守れ」
「…ゆ…油断なんてしていません…っ…」
「…ふっ…そうか」
強がってみせた彼女の言葉に
匠は意味ありげな笑みを浮かべる――
「なら…今から逃げてみろ」
「…逃げる…!?」
「油断をしていないと言い張るなら…、この部屋から逃げてみせろ」
この部屋から…
「――…俺からな…」

