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わたしの彼は 甘くて強引
第8章 油断の代償

「市ノ瀬せんせー、何してるの?」
「……?」
面倒くさそうに顔だけ後ろを振り返った匠は、ドアの前に立つ男の子を見て舌打ちをした。
「お前か…、俺の後をつけていたのか?」
「うん」
「さっさと病室に戻れ…! ここはお前が来ていい所じゃない」
「えー」
不満の声を漏らす男の子
「あと、俺がここにいることは誰にも話すなよ」
「はーい」
相手にしてもらえず口を尖らせたその子供は、それでも素直に返事をした後
ガラッと扉を元通りに閉めて去っていった。
......シーン
少しの沈黙
「……またせたな」
「!!!」
顔を戻した匠を見て、
腕の中の柚子は凍りついた。

