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血ダマリ美青年の狂気愛
第3章 拘束絶頂
「足跡のこして、逃げ切れるわけないだろ」
あっけなく見つかり、部屋にはいった青年によって逃走経路は阻まれた。
彼女が隠れていたのは、もといた部屋と同じ白色の空間で、電気も付いていて明るい。3m方形の小さな部屋には、中心に変わった形の椅子、その横に器具を置くための架台があるだけ。
少女が逃げ込める所はないのだ。
“ 捕まった ”
彼女は絶望した。
ムダな抵抗をしたせいで今度こそ相手を怒らせたに違いない。
そう覚悟する少女だった。けれど、恐る恐る見上げた青年の表情に…苛立っている様子はなかった。
「…逃げたくなるほど俺が怖いらしい」
「……っ」
「何が怖い?教えなよ。俺はあんたに殺意を向けてないし、あんたをよくしてイカせてやった…。甘い声で鳴いたじゃないか」
「…!?何がっ…て」
何を当たり前の事を聞いてくるんだろう……そう思うが、自分を壁際に追いつめたこの青年の顔を見たとき、本気で彼が理解できていない可能性に気がついた。
ふざけているんじゃなくて、本気で彼女の " 恐怖 " がわからないのかもしれない。
“ それだけじゃない、この人、なんだか……! ”
「ど……どうして、あなたは、わからないの……!?どうしてっ…こんな怖いコト、するの?……酷いコト……するの?」
「……俺に触られるのが、怖いって?」
「当然です!あなたはっ……みんなを殺した」
「そうだな俺はあんたを捕らえていた連中を殺してやった。ならあんたの味方になるんじゃないのか?」
「捕らえていた連中……!? 誰の、こと?」
「へぇ……自覚なしか」
「─…ッ」
薄笑いながら顔を寄せられて、少女は反射的に相手の頬を叩いた。
パシッ───!
「あなたの好きにされる くらいなら…っ…!殺されたって、抵抗、します……!」
「……」
叩かれた青年の左の頬が、赤みを帯びる。
自分で叩いておきながら手は震えているけれど、少女は必死に、気丈に振舞おうとした。