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血ダマリ美青年の狂気愛
第3章 拘束絶頂

でもやはり青年にダメージはないようだ。

彼は怒ったり苛立ったりするわけでなく、叩いた彼女の手首を掴む。

「自覚ないなら教えてやろうか?連中が、あんたに何をしてきたか」

「あなたって……!?」

少女はハッとした。

もしやこの人は、恐怖や怒り……そして痛みにいたるまで、あらゆる感覚が普通より " 鈍い " のではなかろうか。

会話をしているときの違和感も、どことなく感じる薄気味悪さも、そのせいなのかもしれないと…。

なら自分を虐めているときの楽しそうな顔はなんだったのかと、彼女が疑問に思ったとき

「きゃあ!!」

少女は青年に抱き上げられた。


「なっ、なに…!?」

「言ったろ。連中と同じことをしてやる。…あんたはこの部屋が何かも覚えてないようだしな」

「ここ……?ここが、いったい何なの……?」

「あんたは初めてじゃない」

「……も、もしかして診察室??」

縮こまる身体を抱き上げ、中央の椅子まで運ばれる。

奇妙な形状の椅子にそっと座らされた少女は、その座りごこちにかすかに覚えがあった。

「思い出したか」

「…でも、いつも目隠し、していたし…。それに診察のとき、すぐに眠るから…意識なくてっ…」

「ふっ…だろうな」

その奇妙な椅子は、背もたれがちょうど彼女の頭上の高さで、後ろに大きく傾いている。

肘置きの部分は左右にハの字にひらいていて、のせた腕が安定するようにか、U字の形のクッションになっていた。

そして座席の部分がとにかく短い。

ここも柔らかい素材だから臀部( デンブ)が痛くなったりはしないのだが、気を使っていないとずり落ちそうになる。

少女は落ちないように片手で肘置きを掴み、もう片方の手でワンピースの胸元を手繰り寄せた。

そうしていないと切られたワンピースがはだけて、彼に裸を晒してしまうからだ。

そうやって、いったい次は何をされるのだろうかと怯えている。


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