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血ダマリ美青年の狂気愛
第5章 回顧

しかしだ。それらの兵器には重大な欠陥があった。
ひとつは、痛覚を鈍くした過程で、視覚・聴覚・味覚といった他の部位にも影響が出たこと。少年兵器はみな視力矯正のためのレンズを付け、耳には補助機を装着することになった。
そしてもうひとつ──
「恐怖」や「愛情」……あらゆる感情の起伏を奪われた結果、生き残ろうとする力までもがなくなってしまったことだ。
生への執着がまるでない。そんな彼らの戦場での功績は、期待されていた数値の半分にも満たなかった。
作戦は失敗だった。
それからちょうど国の戦況が傾き出し、施設は国に見捨てられ、莫大な研究費は打ち切られた。
残った少年兵器たちは秘匿処分となり、ひとり残らず死地に送られた──。
食料も武器も足りない。
祖国に見捨てられた彼らは、敵の攻撃をうけてバタバタと死んでいく毎日だった。
死にたくない、と
泣きだす者はいなかった。
怖い…帰りたい、どうして自分がこんな目に?と
恨む者もいなかった。
例え生きていても「楽しい」と感じる瞬間があるわけじゃない。彼らはそんな──人形、なのだ。
....
「──…死んでやるかよ」

