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血ダマリ美青年の狂気愛
第1章 白い部屋の少女

わからない

わたしは何をされているの……!?

「ん、んん……!」

だが少女にも、いま会ったばかりの…しかも手に凶器を持っている男との、この行為の異常さは直感できた。

相手の胸を押してみるけれどビクとも動かない。

唇を甘噛みされ、入り込んできた舌で口の中を舐められると、徐々に焦りが増していく。

「…っん、ふ、う……//」

焦ればそれだけ息のしかたを忘れるから、悪循環だ。

少女は苦しそうに眉根を寄せて口を大きく開けてみたが、相手の舌を奥へと誘い込むようになってしまう。逃げようとした舌を男のそれに絡め取られて、翻弄される。

厚みのある、ぬらついた舌──。擦りたてるように表から裏側を舐められると、何故だか厭らしい気分になってきた。

“ どうしてこんなコト……!? ”

「はっ……はっ……んん」

「……クク」

身体に力がはいらなくなって意識が朦朧としてくる…

すると青年が喉の奥で笑った。



「ハッ……凄いな……口の中まで敏感だ」

「……はぁっ……はぁっ……はぁっ」

ねっとりとした口付けから解放されてやっと呼吸を許された少女は、息を乱して青年を見上げた。

「……舌、出しなよ」

「ん、あ……」

ろくに考えもせずに、言われた通りに従う。

懸命に突き出した桃色の舌を、青年は血で濡れた指でつまんだ。

引っ張るようにされてまた苦しくなる。

だが、表面のざらざらを楽しむように指が動くと、苦しさとは別の感覚に襲われて甘い声が漏れた。

「イイ顔だな……血の味は美味い?」

「ぁ、ふ……ふぅ……// ぅぅ……//」

舌の上に広がった血の味も…生臭くて嫌いだった。

なのに媚びるような声が出るから、おかしい。

青年はしばらく彼女の反応を見たあとで、再び顔を寄せてきた。

ちゅるりと舌を吸われた時、どこか甘い感覚が背筋をゾゾっと駆け下りて、腰のあたりで痺れるような熱に変わった。


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