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年下のカレ
第1章 はじまり
〜気づいた気持ち〜
カレと夕飯の約束をした日から当日まで、心の中でよく唱えるようになったセリフが『念のためだから…』

もうそんな事はないかって、長く放ったらかしにしていたアンダーヘアーの処理をしたとき、
(念のためだから…)

ユ○クロのラクで手頃な下着しか持っていなかったので、新しいおしゃれな下着を購入したとき、
(念のためだから…)

普段着ることのない胸元がセクシーなVネックのサマーニットを購入したとき、
(念のためだから…)

コンドームを購入したとき、
(念のためだから…)

ときどき冷静になって、自分のしていることに戸惑い動揺したときは毎回、このセリフを心の中で唱えて自分への言い訳にしていました。

約束の日の前日、夫が帰宅する前に、用意した下着や服を着用しスタンドミラーの前に立つ私…

昔から体を動かすことが好きで、子育てがひと段落してからは、毎日欠かさず運動しています。
運動といっても、ジムに通ったり本格的なトレーニングなどではなく、早朝に30分程度の散歩と、夜に誰でもできるような簡単なフィットネスやエクササイズをしているだけです。
自分磨きのためというより、健康のためにしてきたことで、少しのストレス解消にもなっていました。

体質的なこともあると思いますが、それを毎日続けてきたおかげか『theおばさん体型』ではなく、年齢の割にはそれなりの体型を維持できているなと、恥ずかしながら自分でも思っています。

(毎日やってきててよかった…)

そんなことを思いながら、ワクワク気分で鏡の中に映る自分を確認していると、懐かしい気持ちが込み上げてきました。

(そういえば、若い頃はこんなだったな〜。デートの前にはワクワクして、こうして鏡で自分チェックをしてたわね…ふふっ♪)

ふと、笑顔になっている自分の顔に目が止まった。なんて生き生きしてるんだろうって思いました。そしてその時、はっきりと気づいたんです。

(ああ…そっかぁ…私、カレに…)
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