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年下のカレ
第1章 はじまり
〜決心〜
(変に期待しちゃダメよ。私の思い過ごしかもしれないんだから…)

約束の日、そう自分に言い聞かせながら、待ち合わせ場所へと車を走らせる私

待っているカレの前に車を停めて乗ってもらえばいいのに、あえて駐車スペースに停めてから、カレのもとに歩いて向かいました。

胸元がセクシーなVネックのサマーニットにロングスカート、この日のために用意した服を着た私を、ちゃんとカレに見てほしかったからです。

「村崎さん、おつかれさまです。」

目のやり場に困る!…って様子で挨拶してくれるカレに、嬉しさが込み上がりました。

2人で車に乗り、予約していた和食店へ…
スタッフに案内され個室に入り、掘りごたつのテーブルをはさみ向かい合うようにして座る…

食事中…
胸を強調するような姿勢や仕草をたくさんしました。
何度か足があたったけど、全部わざとです。
ちょっぴりエッチな話題もふってみました。

いろいろな形で私なりにスキ(チャンス)を作ったつもりだったけど、胸元への視線は何度も感じるものの、期待しているようなカレからのアプローチは特にないまま時間が進みました。
ちょっぴり苛立ちもしたけど、よくよく考えたら無理もないことですよね。

私は、かなり年上のおばさんだし、職場の上司だし、それに既婚者…

私が期待していること、望んでいることを始めたいのなら、私からじゃなきゃ!

カレにそれを求めるのは卑怯だし、そんなことができるような遊び慣れてる感じの子だったら、こんな気持ちにはなってない…

本当に本当は、期待してはいけないし、望んでもいけない…
開けてはいけない扉を開けようとしてる…
ダメだとわかってる…バカな事だとわかってる…

けど…昨日、はっきりと自分の気持ちに気づいちゃったから…

私は…2回り以上も年下のカレに、恋しちゃったんだって…

だから私は、覚悟を決めて、勇気を振り絞り、開けてはいけない扉を開けることにしました…
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