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君とメメント・モリ
第13章 12月26日 夏美の後悔の矛先
「そっか。じゃ、またね」

化粧室に入るなり最初に見せた表情はなんだったのだろうと呆気にとられるほど夏美は楽し気な足取りで化粧室を出て行った。



夜。忘年会の一次会が終わって店を出ると、すでに時刻は九時を回っていた。
マンションに戻りドアを開けると、リビングからは楽しそうな女の声が聞こえた。

玄関にちょこんと並んだピンク色の小さなパンプスで、夏美が来ているのだとわかった。

「おじゃましてまぁす」

夏美は白いブラウスの袖をめくって、手を拭きながらひょいとキッチンから顔を出した。
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