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君とメメント・モリ
第16章 12月27日土曜日 朝 左手に星が舞い降りた日
しばらくして凛は、ベッドから降りると、指輪をはめた手に右手を添えて、そろりとドレッサーに向かって歩いて行った。
引き出しからはがきサイズほどのフォトフレームを取り出して立てると、フレームにはまった薄いガラスに、ダイヤの光を反射させた。凛は、もう今はいない父と母に、指輪を見せていた。
私、家族ができるよ。胸の中で凛は囁いた。写真の中で笑っている両親の顔が、一層笑みを広げたような気がした。