この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
カゴノトリは貴方の腕の中で鳴く
第10章 京都水族館
夕飯を頂いたお食事処で
朝食も個室でゆっくり頂いて。
お部屋に置いてあって美味しかった
売店でたまねぎせんべいを買って
来た時の様に従業員一同に
お見送りをされて旅館を後にした。
亀岡市にある温泉旅館から
京都水族館までは、
車で26キロほどの
時間にして40分程の距離だった。
京都水族館は京都駅から歩いて
15分程の立地にあり、
京都鉄道博物館のお隣の
梅小路公園の敷地の中にある。
京都の観光施設には
車で来る想定がされていないので
駐車場が無い場合が多い。
例にも漏れずここにも、
専用の駐車場がないので…、
近くで…車から降ろして貰って。
梅小路公園の中を直哉様と
京都水族館を目指して歩く。
水族館の外観が見えて来て。
「あ、あれですかね?
京都水族館…見えて来ましたね…」
『平日やから、
水族館の中も空いとるやろうな』
大きな公園も春休み前の平日なので
小さな子供を連れた家族連れの
姿がちらりほらりとまばらにある位だ。
入口でチケットを購入して
水族館の中に入ると。
特大サイズの…オオサンショウウオが
水槽の隅で団子になって居る。
『オオサンショウウオめっちゃおるやん』
「凄い…こんな大きな
オオサンショウウオ…初めて見ました」
入口すぐのエリアは京の川のエリアで。
オオサンショウウオの他にも
山女魚やイワナ、オイカワや鯉が
展示されていて。京都にある由良川を
イメージして上流、中流、下流に分けて
生き物たちが展示されている。
『美味そうな水槽やね?』
鮎が好きだと言っていたけど、
川魚…好きなのかな??
『山女魚もイワナも美味いけどな
やっぱり俺は…鮎がええわ。
天然もんのええ鮎は…、
西瓜つぅーか、きゅうりみたいな匂いすんで』
きゅうりの匂いがする魚と言うと
きゅうりが泳いでいる姿が
一花の脳内に思い浮かぶのだが。
川の魚のエリアを抜けると、
明るい外のエリアになって。
海獣と呼ばれる生き物たち。
オットセイやアザラシが出迎えてくれる。
チューブ型の水槽にアザラシが入っていて。
『ああなっとったら、
ホルマリン漬けの標本みたいやな』