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カゴノトリは貴方の腕の中で鳴く
第10章 京都水族館
ケープペンギンが居るエリアで、
丁度ペンギンのいる場所を
囲んでコの字型に通路があって、
ペンギンを見ながら進んで行く感じだ。
自分達の目線の高さに
ペンギンがよちよちと歩いている。
『おったおった、ペンギンやん。
俺が、見たかった言うてたんは
ここのペンギンやねん』
「直哉様は…ペンギン……が
お好きなんですか?」
直哉様がここで見たかったのは
このケープペンギンなのだそうで。
ペンギンは確かに
可愛いには可愛いけど、
珍しいかと言われれば…
水族館にも動物園にも…
必ず居て、見られるイメージだ。
『ペンギンなんて、俺には
どぉーれも…、顔見たかて
おんなじにしか見えへんけどなぁ』
「同じ…ケープペンギン…ですからね…」
テレビとかの動物番組の
飼育員さんとかは…
この子は○○で…みたいな
ペンギンの見分けとかしてるけど。
素人目には…多少の大小が
分かる位で同じにしか見えない。
ペンギンが見たかったと言う割に
よちよちと歩いている
ペンギンの事はそんなに見て無くて。
ペンギンが見たかったって
言ってなかっったっけ?と
一花は直哉の様子を見ながら
そんな風に思っていたのだが。
『あ、あったあった、あれ、
俺が見たい思っとったん
あっちにある、あれやわ』
そう言って沢山カラフルな
線が引かれたパネルの方に
吸い寄せらえる様に向かって行って。
直哉が見上げているパネルを
一花も移動してその隣で見上げる。
良く…漫画とかにある人物相関図…
みたいな…この京都水族館の
ペンギン相関図…みたいなのだが…。
「元夫婦……多くないですか?」
『人間もペンギンも結婚したは
ええけど、合う合わんあるんやろなぁ…』