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カゴノトリは貴方の腕の中で鳴く
第10章 京都水族館
『人間もやけどやっぱり
恋多きペンギンも…おるんやな…』
キープしている相手が
複数居るペンギンや……、
夫婦になってるペンギンと
イチャイチャしているペンギンの不倫…。
『この小さい世界の中でも、
これだけの…ペンギンドラマが
日々…生まれとるっちゅーこっちゃ』
そう…直哉が熱心にその
ペンギン相関図を見ていて。
「一部…ペンギンじゃないのが…
ここの辺りに混じってますけどねぇ…」
ペンギン同士の複雑な関係ばかりに
気を取られて見ていると、
右端の方に…ペンギンに混じって
ペンギンの係の飼育員さん達が
一緒にその相関図に載せられて居て。
『ホンマや…、人間混ざってんやん。
てか…人間混ざってる上に、
ペンギンと出来とるやつもおるやん』
そう言って直哉が、相関図の
カップルや夫婦の表記の
ある部分を指で指して言って来て。
「でも…男性同士……ですけど…」
『いや…男と雄やろ?
ん…いや…雄同士……なんか?
雄同士のカップルもおるやん…』
「色々あるんですね……
あの…よちよち歩いてる
ペンギン達にも…複雑すぎる
ペンギン関係が……」
あの相関図を見てから
ペンギン達を眺めると、
また違った見え方が出来て来て。
腕のベルトの色で、
どの子なのか見分けられる様だ。
私がしばらくペンギンを見ていたが
直哉様はずっとその相関図を見ていて。
5分でなんとなくわかって、
1時間ぐらい見てられると
そんな煽り文句がついているが。
確かに、直哉様は…あの相関図を
1時間ぐらい…見てそうな感じがする。
「あの…もう…さっきの
相関図は良かったんですか?」
『ええねん、あんなん隅から隅まで
全部見とったら、キリ無いわ。
おもろうて…なんぼでも見てまうし。
ええ位で切り上げとかな…、次行こ』