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カゴノトリは貴方の腕の中で鳴く
第10章 京都水族館
入口で貰ったパンフレットに
ショーのスケジュールが書かれていて。
後15分程でここで
イルカショーが始まる様だったので、
丁度カフェスタンドも
スタジアムの所にあったので
直哉がそのカフェスタンドを指差すと。
『あっこでなんか買うて、
イルカショーでも観ようや。
自分何にするん?何がいい?』
カフェスタンドの前まで来ると
何がいいかと聞かれたので。
「あ、えっと……、
あの…あれ…が…いいです…」
と…カフェの前のポップに
掲げてあるオススメの
あるメニューが飲みたいと…
一花が直哉にダメ元で
おねだりをして…みたのだが。
『あんなもんがええんかいな、
まぁええわ、あれ買うたるわ』
「良いんですか?
ありがとうございます」
『飲みもん、1つ買うたぐらいで
そない感謝されるんかいな。
なら、まぁ…750円も安いわ。
姉さん、それと、…ポップコーンと
それから、ビール1つ頼むわ』
しばらく待って居ると、
頼んで貰った商品を手渡される。
『すいません、こちらから
お先にお渡しさせて頂きますね。
ふわふわヒカルのベリーソーダで御座います』
「あ、ありがとうございます…」
ふわふわヒカルのベリーソーダ
カフェスタンドの前のポップの
写真があまりにも可愛かったんだけど
手元に届いた実物も可愛い。
「凄い…可愛いっ…」
『そんなん、アザラシ乗った
青いソーダかなんかやろ?』
言われてしまえばそれまでなんだけど。
海の様に青いソーダは
ブルーハワイがベースなんだけど、
そこにカシスが加えてあるから
甘いだけじゃなくて程よい
酸味があって飲みやすい味になっている。
青いソーダの上に生クリームが
乗っていてその上に綺麗な
ブルーのクラッシュゼリー
周囲にはエディブルフラワーの
花びらが鮮やかな赤の
差し色になっている。
そして…その中央に…
ちょこんと乗せられている、
アザラシの形をした
マシュマロが…じぃ~っと
つぶらな瞳でこちらを見つめていて。
『それ…そのアザラシの
マシュマロだけでええんやない?』
「こっ、ここに乗ってるから
良いんですってばっ、可愛いんですッ」
こっちがそのアザラシのマシュマロを
席に座ってからもずっと見ていたので、
呆れ気味にそう言われてしまった。