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カゴノトリは貴方の腕の中で鳴く
第11章 カゴノトリの生活

この琴柱のセットだけで、
40万円とかもっと…するらしい。

午前中の残りの時間ははみっちりと…
先生とワンツーマンで
お稽古を付けて貰って。

こうして自宅まで先生に来て貰って、
ワンツーマンで指導して貰うのだって
普通に通うよりもお月謝は高そうだ…。

「先生、お稽古ありがとうございました」

『ほな…、うちはこれで。
また来週お邪魔させて貰います』

先生が地下貯蔵庫を後にすると、
スマートフォンから着信音が流れて来て。

そう…スマホ…。

あの後…すぐに買ってくれた。
使える機能はかなり制限されてるが、
写真は撮れるし、アルバムで
閲覧する事がいつでもできる。

インターネットは使えないし
連絡が取れるのは直哉だけ。

でも多分…警察には連絡が
出来るんじゃないかなって思ってるけど。
操作してる情報はリアルタイムで、
あっちに送られてそうだし。

それに今だって、お稽古が
終わったら電話が掛かって来てるから。

多分何か…監視カメラ的な超小型の
カメラがどこかに設置してあるんだと思う。

「はい…もしもし…一花です、
はい…、今お稽古が終わりました…」

電話に出ると直哉の方は
今移動して現場について、
説明を聞いた所…の様だった。
今日のお稽古の内容を聞かれて
その内容を直哉に報告する。

丁度お昼ご飯の時間で、
食事を運んで来て貰ったのを伝えると。

私がここでお琴を弾いてるのを
撮って貰って送って欲しいと言うので。
お昼ご飯を配膳して貰った
使用人の人にお願いをして
私が座敷牢の中でお琴を弾いている様子を
カメラで数枚色んなアングルから
撮影をして貰った。

その画像を直哉に送ったら、
幽閉された戦国時代のお姫様みたいやんと
そんな感想が送られて来たのだが、
私は閉じ込めてるのは敵方の
武将でもなんでもなくて、
自分と言うか直哉様なんだけども。

お昼ご飯の後も…お琴の練習をして。
来月の…宴席までにはそれなりに
いい感じに仕上がりそうな感じには
曲も熟練度が増して来てる気がする。

こんな風に練習に打ち込んでいると
お琴を習ってた時の演奏会の前みたい…だ。

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