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カゴノトリは貴方の腕の中で鳴く
第12章 嵐山

そのまましばらくキスを楽しんで。

『もう昼なっとるし…、
腹もええ感じに減ったし…、
昼飯…食おうや。一花ちゃん』

「はい…お昼…頂きます…」

屋形船の中央には
机が置かれていて。

その机の上に置かれている
風呂敷包みを解くと
小さめながらに3段になった
お重が入っていた。

食べやすい様にその3段の
お重を一花が
直哉の分のお重を
3段バラして並べていると。

自分達の乗っている
屋形船の隣に
船が1隻すぐ隣に寄せて来て。

『神室寺様、お邪魔致します
残りのお料理…お持ち致しました』

『一花ちゃん、
それ受け取ってぇや』

「あ、はい、すいません
…ありがとうございます」

コンテナを受け取って
届けてくれたこの人が
屋形船の関係の従業員さんなのか、
それとも…この辺りの料亭の人なのか
私にはわからないのだけど…も。

『それでは…後ほど…
茶わん蒸しと天ぷらの方も
こちらにお持ち致しますので』

「はい…わかりました…」

じゃあ…このコンテナには
何が…入ってるんだろうと
一花がそのコンテナの
蓋を開けて中身を確かめると。

固形燃料がセットされた
和牛の陶板ステーキと
それからこちらも、
固形燃料がセットされた
1人用の湯豆腐がコンテナに入っていて。

チャッカマンも一緒に
セットされていたので
直哉の分をセットすると、
その固形燃料に一花が火をつけて。

それから自分の分をセットして
自分の分の陶板ステーキと
湯豆腐のそれぞれに火をつける。

コンテナには…保冷バックが
入っていてその中には
お吸い物のお汁と
おひつのご飯が入っていて。

お椀には具材がセットされた
状態で上から温かい
お吸い物のお汁を注げばいい様だ。

3段になって居るお重は
それぞれ4つに区切られていて。

「美味しそうですね…
見た目も…色鮮やかで…」
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