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カゴノトリは貴方の腕の中で鳴く
第12章 嵐山

クリームチーズと
抹茶のミニサイズの大福に。

それからカットフルーツが
添えられたガトーショコラ。

その他にも竹の器に入れられた
きな粉と黒蜜で頂く、
翡翠もちもお抹茶の綺麗な
翡翠みたいな色合いと、
葛を使ったプルプルの食感が楽しめる。

美味しいお抹茶と、
和のスイーツが楽しめる
八翠のおさんじを頂いて。

茶寮 八翠を後にする。

『ほな、チェックインしに行こか』

……と言う…直哉様の言葉で
本日の宿泊先が、こちらの
翠嵐 ラグジュアリーコレクション 京都だと
気が付いたのだったが…。

『ここ前から嵐山来るんやったら、
1回泊ってみたかったトコやねん』

「じゃあ…お泊りになられるのは
今日が初めて…と言う事ですか?」

『せやで?なんやいなそない
嬉しそうな顔して…、
俺かて…行きつけやないとこ
泊まってみたい思う時かてあるんやで?』

チェックインを済ませると
客室へと案内される。
客室は3階の角にある、
翠嵐プレジデンシャルコーナースイートで。

名前にラグジュアリーと
ついて居るこのホテルでも、
一番ラグジュアリーなスイートルームだ。

入口を入ってすぐは菫色の
カーペットと鼠色のソファの
色合いが目を惹くリビングで。

このソファに…8人ぐらい
横に並んで座れそうだなぁ…と。

そんな風に思って居ると、
奥に見えている鮮やかな
翡翠色をした椅子が見えて。

その翡翠色の椅子に導かれる様に
リビングの先に向かうと、
上から下までの壁が全面の窓になっていて
サンルームの様になっている。

『お、ここめっちゃええやん』

さっきお茶を頂いた
茶寮八翠が真下に見えていて。
東側の窓からは、嵐山のシンボルの
渡月橋を眺める事が出来る。

直哉がそう言って、
その翡翠色の椅子の向きを変えて
窓と窓が角になって居る方に
椅子を向けて座って居て。

『一花ちゃん、俺の膝の上座り』

「は…、はい…ッ」

椅子に座って居る直哉の
膝の上に座る様に促されて。


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