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カゴノトリは貴方の腕の中で鳴く
第14章 番外編 須磨シーワールド 前編

『ちゅーこっちゃから、
俺、明日も仕事あるから…
5日の日ぃにスマスイ行こうや』

明日の3日には…京都市内で
ちょっとした半日も
掛からない仕事があるからと
直哉がそう話をしていて。

あっさりと…6月5日に
昨日テレビで観た
須磨シーワールドへ行くのが決まった。

「はい…楽しみです……」

夕方には…こっちに
戻れると直哉様が言っていたので
お茶を頼むわと言われて。
直哉が戻るまでの時間を…
一花は直哉の帰りを
心待ちにしながら過ごした。


ーーー
ーー


直哉様がお屋敷に帰って来て、
私のいる座敷牢の閂の鍵を外して
閂を外すと、外に出して貰える。

『一花ちゃん、ただいまぁ
今回は遠方やったさかいに、
長い事…閉じ込めたまんまにして
堪忍やで?許したってや』

「いえ、昨日は…お稽古の
先生もいらっしゃいましたし、
テレビも…見せて頂きましたので…」

そのテレビのニュースで
須磨シーワールドのニュースが
流れていたから知っただけなのだけども。

『もしかして、テレビの
関西のニュースで流れてたん?』

「はい、昨日のニュースと
今朝のニュースでも放送されてました…」

『そうなんやな…、
お土産も買って来たで?
夕飯に…出して貰う分は
もう渡して来たから…コレあげよ』

蓋がされた瓶の底に
カラフルな…ガラスの砂が
敷かれてていてその上に
マリモが…2つ…乗っている。

マリモのご飯と言う
謎の液体も一緒に貰って。

『なんや、それエサらしいで?
それマリモにやったら
大きゅうなる言うてたわ』

「マリモってエサ食べるんですか?
丸い形の藻…だと…思ってましたが…」

『いや…多分肥料やで?それ…』

マリモの肥料…と言う
小さな入れ物の液体を
しばらく眺めていると
エサやってみると言われて。

数滴垂らす…だけなのだそうで。
お水に2滴ほどエサを垂らしてみるが。
藻なので…食べに来たりはしないけど…。

その後は…直哉の為に
お茶室でお茶を点てて、
昨日私はお風呂に入って無かったので
一緒に直哉様とお夕飯の前にお風呂に入って。
いつもの錦鯉の間でお夕飯を食べた。


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