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カゴノトリは貴方の腕の中で鳴く
第14章 番外編 須磨シーワールド 前編


「んんっ、こ…こじゃ…ダメッ…」

『せやな…、流石に
ここは誰かに見られるかも知れへんな』

中入ろかと…直哉が声を掛けて来て
その言葉に自分の首を縦に振った。

『一花ちゃん、
一緒に風呂入ろうや…。
この部屋はテラスには風呂無いけど、
この部屋の風呂もええ感じやで?』

「おっ、お湯張り…してまいります…」

直哉はリビングに置かれている
オットマン付きの1人掛けのソファで
さっきの続きを飲みだしたので。
バスルームにお湯張りをしに向かった。

広々としたバスルームには
大きな鏡のついた椅子がある洗面台に。
すりガラスのドアで区切られたおトイレと
その隣にはすりガラスで囲まれた
シャワースペースがある。

大きな円形のバスタブは
ジャグジーになっていて。
2人で並んで寛げる大きさ。

お湯の勢いも良くて
すぐに浴槽は大きいけど
お湯張りが出来そうな感じで…。

『一花ちゃん
その奥のブラインド開けてみてん?』

円形の大きなバスタブの奥の
ブラインドを開けてみる様に
直哉がバスルームの入口から
中にいる一花に声を掛けて来て。

ブラインドを開くと大きな窓があって
神戸の夜景を楽しむことが出来る。

『手、こうしてん?』

手を出す様に言われて手を出すと
何かをこっちに投げて来て。
その箱をキャッチする。
黒い箱の中身は…綺麗なお花で。

「綺麗な…お花…」

『それそこに入れてぇや』

勿体ないと思ってしまったのだが
これは…本物そっくりに
作ってある入浴剤なのだそうだ。

バラだけじゃなくて
色々なお花が…白からピンク
赤になるようにミックスされていて。

バラバラに花びらにして
その花びらをお風呂のお湯に浮かべる。

説明書きにはお湯の量に合わせて
2輪程度から調整してと
そんな感じに書いてあったんだけど
全部言えたらええねんと…そう
直哉様が言うと。こっちが花びらに
してバラバラにしていた残りを
そのままお風呂に浮かべてしまって。

花びらのペタルとそのままの
お花がミックスになって…
凄い豪華な…フラワーバスになった。

『ええ感じなったやん、風呂入ろ』

直哉の着ている服を脱がせて、
綺麗に畳んで脱衣カゴに入れる。


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