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カゴノトリは貴方の腕の中で鳴く
第15章 番外編 須磨シーワールド 後編
『なんや…豪華客船みたいな、
部屋しとんやん。あっこ座ろうや』
部屋の中央はリビングになっていて、
その天井にはシーディングファンが
取りつけられている。
ベッドルーム部分との
区切りにもなっていて
グラス類が収納されている棚は
反対側はベンチソファの様になって居て。
客船っぽさを…感じる造りになっている。
リビングスペースの中央には
白と黒の円形のテーブルが設置されていて。
リビングの壁にテレビがあるのだが
壁のデザインがシャチ柄になっている。
そのベンチ風のソファの向かいにも
ソファが設置されていて、
5人ほど寛げそうなリビングだ。
ベンチソファの方に座ると
リビングの向こう側のテラスの向こうに
須磨の海の眺めを楽しむことが出来る。
「直哉様…コーヒーか何か
お淹れしましょうか?」
『そうやなぁ、お茶でええわ』
用意されているポットに
お水を入れてセットすると。
湯呑にティパックを入れる。
「凄いですね…このお部屋…
豪華客船みたいな感じの雰囲気ですし
それに…、お部屋の中に専用の
小さな水族館も…ありますね」
リビングの隅に…水槽が置かれていて
その水槽を見ていてある事に気が付いた。
水槽のお魚ばかりに気を取られていたが
その水槽の…向こう側に…湯船が見える。
「なっ、直哉様ッ…お風呂ッ
これっ、水槽の向こう側…に
お風呂があるじゃないですかッ!!」
『せやねん、凄いやろ?
この水槽がこの部屋の売りやねんって。
リビングからも…風呂からも
水槽が…見える様になってるねんって。
普通のホテルやのにラブホみたいやん?』
でも…こんなの…お風呂に入ってる時
リビングに居る人から…丸見えに…。
『あの、助平ぇな大嶋先生が…
好きそうな事思わへん?
魚見とったら…女の子が風呂
入っとるの堂々と覗けるねんからな。
ラブホのガラス張りの風呂とは
ここは普通のホテルやからな、
また…違った…趣でもあるんちゃう?』
そんな話をしながら、
お魚を眺めているとお湯が沸いたので
緑茶を淹れて、直哉様と一緒に
リビングの所でお茶を飲んだ。
『船もええなぁ…また今度
九州で仕事があったら…
一緒に…自分も連れて行ったるわ。
行きは新幹線か何かやけど…、
帰りは…さんふらわあで帰ろうや…』