この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
カゴノトリは貴方の腕の中で鳴く
第16章 番外編 ~水辺の離れ Calme~
この部分までが開放感抜群の
リビングになりそうだ。
今居る場所からウッドデッキテラスと
統一感のある同じ素材で作られた
階段を3段昇って…。
私がその焚火テーブルに気を取られていると
玄関の戸を開いて仲居さんが待って居てくれて。
カルムの中にはいる。
ウッドデッキテラスと一体化できる
リビングスペースの奥には
大きなベッドが2つ置かれているから。
ベッドの上からも…この眺めを
楽しむことが出来る様になっている。
内部は白塗りの壁に梁が剥き出しに
なっている造りになっていた。
大きな一間の部屋ではあるが、
ベッドのある場所は1段畳敷きに
なっていてリビングの場所からは
高くなる様になっていて。
リビングの部分のスペースは
フローリングになっている。
カルムと言う言葉は…凪と言う意味で、
目の前にある久美浜湾は…
本当に水面が穏やかで…
海と言う事を忘れてしまいそうだ。
リビングのソファに促されて
仲居さんがお茶を用意してくれた。
『おおきに…後はもうええわ』
そう言いながら直哉様が
仲居さんの胸元にお札を差し込んでいて。
こう……その…渡し方が何とも…
直哉様らしい…感じもしてしまいつつ。
リビングのソファに座って…
穏やかな海を眺めながら
一緒に淹れて貰ったお茶を頂く。
『ええとこやろ?カルム』
「ええとても…素敵ですね…」
『ちょっと遠いのが…なぁ…
もっと近かったら…、たまに言わんと
しょちゅう来たいねんけどなぁ…』
さっきの天橋立ワイナリーで
購入したワインを冷蔵庫に入れて
ミルク工房で購入したチーズを
さっそく食べながら飲むつもりの様で。
丹後の地酒を…ルームサービスで注文していて。
しばらくして…届けられた
日本酒を飲みながらチーズを食べていて。
私の…膝を…枕にして直哉様は
ゆっくりと寛いでおられて。
「いつも…お仕事…お疲れ様です…」
『今日は…一花ちゃんに
この前のお茶席…世話になった
お礼しに来てんねやで?
まぁ…俺も…この…眺めに…
癒やされてしもとるから…な……。
自分のご褒美なんか、俺のご褒美なんか…
自分でも…よーわからんなって来たわ…』
「だったら…逆を……して頂いても?」
『逆?ってなんなん?』