この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
カゴノトリは貴方の腕の中で鳴く
第3章 『私』のトリカゴ

その…壁に取り付けられている
電気のスイッチを直哉が入れると。

パッっと…その階段の電気が付いた。

『元貯蔵庫だけあって…
年中…気温と湿度は一定…。
夏場は…涼しいて…過ごしやすいで?』

そう言いながら…地下に続く
階段を…直哉が降りて行く。
一花が…その後を降りて行く。

その…階段の先にも…
扉があって…、扉を開くと。

その先にあったのは…。

小上がりになって作られた、
畳の敷かれた場所と…。
その奥に…見える…仰々しい
木製の格子が見えていて。

『俺が…作ったんとちゃうで?』

「座敷牢…」

『……見たらわかるやろーけど、
この座敷牢は…元々
この家にあったもんやねん…。
アンタも…陰陽師の…端くれの
家に…生まれたんや…。知っとるやろ。
呪いや怨霊…に近こうなり過ぎて…
たまぁ…に…、イカレてまうやつがな…
一族の中にも…おった…ちゅー話』

そのまま…直哉が…話を続ける、
元々…この屋敷は…療養地…として
人里離れたへんぴなこの場所に
静かな療養環境を求めて建てられた。
建物が…複数あるのも…
そのせいで…中庭が整って居るのも
療養をする物の心を慰める為。

『……そんな…なってもーて、
どーにも手ぇ…付けられへんのを…
こん中に放り込んでたみたいやで?
四六時中…何もおらん方に
怨霊がおるおる…言うて…
除霊しようとするやつとかな…?』

怨霊や呪霊は…呪力がなければ…見えない、
しかしそれは…呪力がある者が見れば
そこに呪いが居るか居ないかは
一目瞭然なのだ…。

ありもしない呪いが…見える…
そんな者を…怨霊や呪霊を祓うのに…
連れては行けない……。

ぞく…っと…背筋が…寒くなった。

本当にここは…療養地なのだろうか?

療養地とは名ばかりな…、

処刑地…だったんじゃ…ないかって…。


/283ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ