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カゴノトリは貴方の腕の中で鳴く
第6章 もう1つのお土産

『初めて…の後は…
しばらくの間…股にずっと
棒挟んどるみたいになるらしいで?』

「えええっ…?そ、…そうなのですか?」

『まぁ、ホンマか嘘か知らんけどな…、
お喋りばっかりしてても…寝れへんし…
ちゃんと…布団の中入り、電気消すで』

「あ…っ…あの…っ」

明日は出掛ける予定があるので、
早く休む様に言われて
和紙で出来ているベッドサイドライトの
明かりを調節しようとしていて。
その直哉に対して、一花が
慌てた様子で声を掛けた。

『ん?どないしたん?一花ちゃん
寝る前に、トイレ行きたいん?』

「いっ…いえ…、
お手洗いは…大丈夫です。
そうでは…無くてですね…」

もぞもぞ…と…一花が
自分の布団の掛け布団を
自分の顔に半分ほど被ると。

「直哉様…、おやすみなさい…」

『……何言うんか思っとったら
そんな事…かいな…、
一花ちゃん、はようおやすみ』

そう言って直哉が、
錦鯉の間の明かりを…豆電球位の
就寝するのに適した暗さにする。

いつもは…お勤めの…最後には
イキ過ぎてしまって寝落ちを
連日の様に…していたので…。

おやすみの挨拶をしたのは…
初めて…の事で…。

布団に入りながら…何だか…
直哉様との生活も……
それなりに…やって行けそうな…
そんなちょっとした…満たされた気持ちを
一花は感じてほくほくとしていると。

『なぁ、もう…寝てしもたん?』

「いえ…まだ…起きておりますが…」

部屋の明かりを消してから
多分まだ5分位しか
時間が経ってないので…、
まだ…起きていたのは…起きてたけど。

自分の隣で…布団が擦れる音がして
直哉が身体を起こした様だった。

何だろう…と思って居ると、

額に…柔らかい物が触れて。

あれ?今…おでこにキスされた?

「な…直哉様…っ、今ッ…」

『なんや…、何か文句あるん?
これだけ…暗かったら…
一花ちゃんが…キス待ちする時に
顔ぶっさいくになっとても
俺にはぶっさいくなキス顔見えへんし』



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