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カゴノトリは貴方の腕の中で鳴く
第7章 直哉様とお出掛け

この部屋も、

必要な物以外は何もない部屋だが。

一際、目を引く物があった。

私の正面にあるそれだ。

衣桁に…着物が掛けられて居て…。


その着物を…見て、思わず

一花は息を飲んでしまった。


このまま…和装の結婚式でも…

出来てしまいそうな…

煌びやかで華やかな…振袖で…。

………多分……いつもの…よりも…

更に…上等な…品物…なのは…

そこまで和服に詳しくない

私にも…分かるほどで。

3人に…着付けをされてしまって。

その時に…気が付いたのだが…、

普通…和装と言うのは…
ボディラインが出ない様に
タオルとかで身体の凹凸を
補正して…着付けをする物…。

それなのに…、キチンと…
着付けられた…振袖は
パッと…見は…お上品だが…。

一花の…胸の膨らみを
潰して小さく見せるどころか…、
その大きさを…強調する様に
帯の上に…乗せる様になって居る。

こんな…高級な着物を…
こんな下品に…着付けられて…。

……着物の下には…、
ブルブルと振動する
オモチャをセットした
ショーツまで…履いてる状態だ。

『全て…直哉様のご言いつけですので』

こっちの顔に不安が出ていたのか、
使用人の女性が…そう…
事務的な口調で言い放つ様に言って来て。

『それでは、一花様。
お化粧と…お髪の方も…』

そう言われてしまって…、
着付けが終わると化粧と
髪を…綺麗に結われて。

昨日…お土産だと渡された、
あの…高そうな簪を…挿された。

花簪も…沢山で…、振袖も
百花繚乱な…柄なのだが。
私の…頭も…花盛りで…。
一足早い…成人式…みたいだ…。

『では…こちらへ…』

『直哉様が、お待ちです…』

『こちらへ…どうぞ…』

3人にぐるっと…周囲を
取り囲まれて向かった先は…。
いつもの…錦鯉の間だった。




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