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カゴノトリは貴方の腕の中で鳴く
第7章 直哉様とお出掛け

両サイドから…使用人の女性が
錦鯉の描かれた襖を開いて
その中に…居る直哉の姿が目に入った。

「……色紋付……」

普段から…直哉様は
書生さんスタイルの
和装で…袴を着用してるけど。

今日は…外出するから…なのか…
ちゃんと…羽織を着ていて。

『………おお~ッ、
ええやん、ええやん…。
上品で…艶やかさもありつつも
お下品で…やらしぃ感じもするし。
んで…あれ、履いてくれたん?』

そう言って…自分の袖の中から
私の履いている、ショーツに
セットされているオモチャを
操作出来るリモコンを見せて来る。

「履いております……」

『ほんなら…、支度もばっちり
整った事やし…、とりあえず食おか』

直哉と…並んで朝食を摂ると、
そのまますぐにお屋敷を出る様だった。

こんな時間から出ないといけない程
…その鴨川沿いの料亭は
このお屋敷から遠いのだろうか?

『一花ちゃんはさ、
京都には…来た事あんの?』

「中学の時の…、
修学旅行の行先が…京都…でした……」

『どこ行ったん?清水寺とか
金閣寺とか?それとも嵐山。
学生さんやったら、北野天満宮とか?
そん時は…二条城…は行ったん?』

直哉に二条城に行った事があるかと
質問されて…、その時に
観光した場所には二条城は
含まれていなかったので
いいえと…一花は首を横に振った。

『ちょっと…まだ時間あるし…、
どっか…行けんこともないで?』

と…言われても…
どこに行きたいかとか…って
すぐには…ここに行きたいとかって
思いつかないと言うか出て来ない…し…。

二条城には行った事が無かったので、
二条城で…とお願いしたのだが。

大阪城とか姫路城とか…
熊本城とか…色々あるけど、
そんな規模のお城に比べると…
大分…コンパクトな感じのお城で。

見学して回るのには…
そんなに時間は掛からなかったのだが。

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