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カゴノトリは貴方の腕の中で鳴く
第8章 先斗町のお茶屋
「すいません…、
この様な…お店は…初めて…でして…」
私がここで…ひとりで退屈しない様に
話し相手になる様に…直哉様から
仰せつかったとの事で…。
直哉様が…大嶋と言うお偉いさんと
大人のお話をしている間…
その三好さんと言う仲居さんが
私の話相手をしてくれた。
しばらく三好さんと話をしていると
別の仲居さんが…私を呼びに来てくれて。
どうやら…難しいお話…は、
終わった様で…案内をされたのは…
割と大きな広間…だったのだが…。
この…30人ほどが
宴会が出来そうな大きな広間に
直哉と……大嶋と言う名の60代位の
スーツ姿の男性の姿があって。
舞妓さんが…ふたりに酌をしていて
すでに…食事の前から飲んでいる様だった。
『おいで。
一花ちゃんは…俺の隣やで?
もう…自分、あっち行ってもろてええわ
俺は…間に合うとるさかい、
先生の相手したってぇや』
自分の隣で酒の世話をしている
舞妓に直哉がそう声を掛けて。
自分の隣を空ける様に言って
自分の隣を空けさせると
一花にそこに座る様に促して来た。
直哉と向い合せに座って居る
大嶋の視線が…自分に注がれていた。
「すいません…失礼をさせて頂きます」
『…直哉君…そちらの…綺麗処は?
随分と…お若い感じにお見受けするが…』
『そらそうやろうなぁ…。
なんせ…つい数日前に、
高校卒業したばっか…やし?』
直哉の酌は私がするので、
私に舞妓さんがお酒を勧めてくれたが。
自分は未成年なので、飲酒は
できませんと…お酒はお断りした。
『(舞妓さん…ばっかりやろ?
おかしい…思わへん?…
あの先生の趣味やねん…、
自分はええ年こいたオッサンやけどな、
若っかい女…好きでしゃーない
スケベ…なオッサンやねん…
まぁ…パッと見ぃは…上品そうな…
オッサンやけどな…金持っとるし…)』