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カゴノトリは貴方の腕の中で鳴く
第8章 先斗町のお茶屋

それから…食事も…すすんで
大分…お酒も…良い感じにすすんだ頃に。

舞妓さん達が地方さんの三味線で
伝統芸能である京舞を披露してくれるが。

舞妓さんは芸妓になる前の
言わば…修行中の身…なので…。
その…舞も…初々しい感じで…
その…不慣れさを…肴にして、
大嶋は酒を飲むのが好きなのだそうだ。

酔いが回って来てるのか
そんな感じに饒舌に話をしてくれたが。

私がその話に相槌を打って居ると。
私の隣の直哉様が、ふぁ…と
退屈そうにあくびをしていて。

こっちはこっちで…あんまり…
京舞とかには興味は無さそうな感じだった。

京舞のご披露が終わったら。
その後は…お座敷遊び…の時間。

『直哉君は…何が良いかな?』

どんな…お座敷遊びがしたいかと
大嶋が直哉に尋ねて来て。

『別に…俺は何でもええけど…
そうやなぁ…せやったら、
折角やし、皆で…
”おひらきさん”でもしよーや』

本来は舞妓さんや、芸妓さんと
1対1で向かい合ってする
そんなお座敷遊びみたいだけど。
直哉が全員でしようと言ったので。

『だって…こないに
広い場所あるやん?』

そう言って2人には
大きすぎる広間の
空いている場所に視線を向けて。

5人の舞妓さんと…、
会食の相手の大嶋先生…、
そして直哉様がその空いている
広間のスペースに向かって行くので。

自分は…見ていたらいいのかなと
そんな風に思っていたら。

『一花ちゃんも…
一緒にこっち来ぃな…、
おひらきさんして…遊ぼうや』

「あの…それは…一体
どう言った…遊びなのですか?」

ルールが分からないので
説明を求めると。

有明と言う名前の舞妓さんが、
おひらきさんのルールを教えてくれて。

要するに…じゃんけんをして、
負けた方が少しずつ足を開て行く…と言う
そんな感じのルールの遊びで。


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