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きのうの夜は
第12章 きのうの夜は
吉村は高山のことを余り快く思っていなかった。
何故なら、高山は仕事をしっかりするのだが、私生活が乱れている様に見えたからだ。
高山はよく深酒をしていた。
会社の飲み会でも毎回深酒をしては同僚を困らせていた。
でも、高山の性格が良かったからだろう。
同僚たちは飲んで潰れてしまう高山をいつも介抱してやっていたのだ。
吉村から見たら高山は金遣いも荒く、浪費家に見えたかも知れない。
でも、高山は毎月積み立て貯金をしてコツコツとお金を貯めていたのだ。
その額は400万程だったと後に高山から聞いたことがある。
人は見かけで判断してはいけないと私は思っていた。
「ちょっと彩夏と会って話がしたいんだが…」
私も同じく吉村と話がしたいと思っていた。
「ええ、構わないけど…」
「今日、俺のマンションに来れるか?」
「ええ、午後からなら行けるけど…」
「なら、午後から俺のマンションに来い…」
かなり、偉そうにそう言ってくる。
「分かったわ…」
そう言うと電話を切った。
私はその後、メイクを落としシャワーを浴びた。
きのうの夜はシャワーも浴びずに高山とセックスをしてしまった。
それを思い出すと少し恥ずかしくなるのだった。