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きのうの夜は
第2章 情事
「ほら、出来たから食べなよ…」
「ありがとうございます。頂きます…」
私は、吉村が作ってくれたお好み焼きを食べた。
それは、実に美味しかったのだ。
「旨いか?」
「ええ、とっても、吉村さんて焼くの上手なんですね…」
「まぁね、田舎が大阪だからな…」
「大阪ですかぁ、美味しい物沢山あるんでしょうね…」
「あるよ…」
「いつか、行ってみたいわ…」
私は吉村の話しを聞いて、大阪に行ってみたくなったのだ。
私たちは、強かお好み焼きを食べて、お酒を飲んだ。
気が付くと、何だか店の外から雨の滴る音がして来た。
どうやら、雨が降って着た様だった。
時刻は夜の9時を少し回っていた。
「もう、出ようか?」
「そうですね…」
会計は吉村がしてくれた。
折り畳みの傘を私は持ってきていた。
その傘を開いて店の引き戸を背にして二人で入った。
その時にお互いの目が合った。
私たちは傘を少し傾けて通りから見えない様にして、自然と引き寄せ合う様にキスをした。
お好み焼き屋の引き戸は曇りガラスになっていたので見える事はなかった。
始めはフレンチに、そしてディープキスへと変わってゆく。
「よ、吉村さん、だ、ダメです…」
「知ってるよ、平井さんは旦那がいるんだよな…そんな風には見えないけど…」
すると、吉村はまたキスをしてきた。
「吉村さん…」
「それでも、構わない…俺、平井さんの事が好きなんだ…」
私はこの言葉を聞いた時、その後の展開を考えてしまった。
私はイケナイ人妻なのだった。