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きのうの夜は
第3章 揺れる思い
「早く取りに行ってどこかで飲まないか?」
「あ、済みません、今日はちょっと飲みには行けないので…」
「え?そうなのか?」
「ええ、夫には今日買い物に行く事話してなかったんで…」
「そうか、それは残念だな…」
吉村はそう言うと黙って珈琲を飲んでいた。
多分、また飲んだ帰りに私をホテルに誘いたかったのだろう。
「本当に、済みません…」
「いや、別に構わないさ、で、今日は何時まで付き合ってくれるんだ?」
「そうですね、6時半くらいかしら?」
「じゃ、それまでどこかでお茶でもして過ごすか?」
吉村はなるだけ長い時間、私と一緒にいたい様だった。
だが、当時の私は結婚していて人妻で舅、姑、小姑が2人もいたのだ。
それでなくとも、今日は義母にも出かける事を話してこなかったのだ。
私が、遅い時間に帰ったら、どんな騒ぎになるか分からなかった。
吉村とマックを後にするとガットを張ってくれたスポーツ用品店に行った。
ガットは無事に張れて、私のテニスラケットが出来上がっていた。
その後、テニスシューズも私は同じ店で購入したのだ。
何だかんだと3万円以上もお金を使ってしまった。
これで、テニスが上達しなければ大損になってしまう。
それを思うと私は真面目にテニスを覚えなくてはならないと思ったのだ。
テニスラケットとシューズを買うと吉村と一緒に店を出た。
そして、スタバに行ってお茶をしたのだ。