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きのうの夜は
第5章 天川村
「うん、嬉しいわ…」
「じゃ、村営の天の川温泉に行こうか?」
「そうね、行きましょう…」
そう言うと私たちはお風呂に入る為の支度をしたのだ。
借りていた自転車で、ちょっと坂道を下って行った様に思う。
料金は大人700円。子供300円だった。
入湯料を支払い施設内に入ってゆく。
天の川温泉は露天風呂と内湯に分かれており、こぢんまりとした温泉だった。
お湯は炭酸水素塩泉で、無色透明で無臭。
微塩味がするとされていてしっとりつるつるになる「美人の湯」の成分が多く含まれている。
私は、内湯に入った。
やはり、入るとしっとりとしてお肌がつるつるになるのが分かった。
40分くらい入っていただろうか。
女湯から上がり、ロビーに出ると吉村が待っていた。
「随分、ゆっくりしてたんだな…」
「だって、気持ち良かったんだもの…」
「満足したか?」
「ええ、満足したわ…」
私たちは貸し自転車に乗り民宿へと戻った。
時刻は夕暮れが迫っていた。
部屋で寛いでいると民宿の女性に呼ばれた。
「平井さん、夕飯の支度が出来ましたので、広間まで来て頂けますか?」
「はい、分かりました」