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きのうの夜は
第5章 天川村

そう言うと、私たちは広間に向かった。
そこには大きな長いテーブルが3列ほど置かれていた。

そこのテーブルに二人で腰かけて座った。
吉村が宿の女性に瓶ビールを頼んでいた。

そのビールで乾杯したのを覚えている。
料理はお刺身や山菜などの様なものが出されたと思う。

夕飯を済ませると部屋に戻った。
襖を開け部屋に入ると大きな座卓は部屋の隅に置かれて、布団が二枚敷かれていた。

吉村はその布団を見るとちょっとニヤケて見せるのだった。
私は、また夜の天川村を探索したくなった。

また吉村を部屋に残し宿の外に出てみる。
夜空を見上げると都会では見られない綺麗な宝石を散りばめた様な星が沢山見えた。

外灯が少なかったからだろう。
本当に星空に浮かぶ星々は綺麗で美しかったのだ。

夜になるとひんやりとした冷たい風が吹いてくる。
私は、ちょっと寒くなったので宿に帰ることにした。

襖を開けて部屋に入ると吉村が布団の中で横になっていた。

「どうだった?夜の天川村は?」
「ええ、最高に綺麗だったわ…」

そう言うと私の身体を抱き寄せてくる。
そのまま布団に敷き倒されてしまった。

「いいだろう?」
「え?でも、襖1枚しかないのよ?隣の部屋の人に声が聞こえてしまうわ…」

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