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きのうの夜は
第6章 明日香村
「吉村さん、私、こんなに沢山食べれないわ…」
「いいよ、残しても。無理するな…」
そう言われて、私はご飯を残したのだった。
そのうどん屋さんを出て、私たちは明日香村の貸し自転車屋さんに行った。
そこで、1日貸し切りの自転車を借りて明日香村の中にある遺跡を回ることにした。
1400年前の飛鳥時代に触れることができる明日香村。
青空博物館といっても過言ではないほど、明日香村の中には古墳や遺跡が点在し古代史ファンにはたまらない場所だ。
明日香村には、日本最大級の横穴式石室の石舞台古墳をはじめ、歴史上の人物が眠る古墳、陵墓が17もある。
私たちは広大な敷地を誇る明日香村の遺跡や古墳を全部巡りたいと思ったが、半日では無理だと思った。
なので、回れる限り見て回ろうと思った。
どの様なルートで巡ったのか覚えていないが、印象に残っている遺跡や古墳がいくつかあった。
1つ目は猿石だ。
猿石とは、吉備姫王の墓の四方を囲む石像の1つ。
4体のうち3体には裏にも顔がありいずれも猿に似ていることからこの名があるが、製作年代や目的は謎のままらしい。
2つ目は石舞台古墳だ。
石舞台古墳は蘇我馬子の墓とも伝えられるこれこそ飛鳥のシンボルだと言える。
日本でも最大級という横穴式石室をもつ古墳だ。
すでに盛土は失われて巨大な石室が露出しているが基壇の1辺51mの方形墳。
玄室は長さ7.6m,幅3.9m,高さ4.7mの豪壮なスケールで70t級の花崗岩30数個を使用している。