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きのうの夜は
第8章 八丁の湯
「そうさ、いいだろう?」
私は少し迷ったが、宿の方からバスタオルを貸してくれると聞いたので吉村と一緒に混浴の露天風呂へと行くことにしたのだ。
「変な事しないでね…」
「何もしないよ…」
吉村はそう言うと笑うのだった。
露天風呂は本当に囲いなどもなくてどこで着替えて良いのか分からなかった。
上手い事浴衣を使いバスタオルを胸に巻いた。
そして、つま先から温泉へと身体を入れて行った。
この八丁の湯は滝を見ながら入浴できる混浴露天風呂が3つに女性専用露天風呂が1つあり、野趣あふれる湯浴みが楽しめる所だった。
泉質は「中性低張性高温泉」で中性の為お湯が柔らかで刺激が少ない。
高温泉なのでボイラーなどによる追い炊きなどはしておらず、源泉かけ流しだ。
私は吉村とのセックスは苦手だったが、一緒に温泉などに入るのは抵抗などなかった。
それは、とても不思議だと感じてしまう。
私は滝を見ながら温泉に浸かり、長旅の疲れを癒していた。
バスに約2時間半も揺られてきたのだ。
来るだけでもかなり疲れてしまう。
でも、ここは秘湯だった。
気分が良くない訳がなかった。
私たちはかなりの長風呂に入っていた様に思う。
「もう、のぼせちゃうから出ましょうよ…」
「そうだな、出ようか…」