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きのうの夜は
第11章 トライアングル
「高山くん、もう帰りましょう…」
「え?もう帰る時間ですか?」
「そうよ、11時になるわよ…」
「そんなに時間経ってたんですね?…」
「終電なくなっちゃうわ…」
「明日は土曜日だから会社は休みだからいいじゃないですか?」
確かに言われてみればそうだった。
「そ、そうね…帰りはタクシーでも拾うわ…」
「そうしましょうよ…」
高山は酔っぱらってそう言ってくる。
「じゃ、店変えてショットバーに行きませんか?」
「ショットバー?」
「ええ、いい店知ってるんですよ…」
「なら、そこに行ってもいいわ…」
「じゃ、行きましょう…」
高山はそう言うと自分からお勘定を済ませると先に店を出てゆく。
私もその後を追った。
高山が知っていると言うショットバーは駅前のロータリーから直ぐの所の地下1階にあった。
ちょっとよろけて歩く高山の身体を支えながらショットバーまで歩いてゆく。
その間、高山は私の肩を抱き締めていた。
それは、ショットバーの地下に入ろうとしてショーウィンドウに私がちょっと持たれ掛かった時だった。
ショーウィンドウに背中を押し付けられて、私は高山からキスをされたのだ。
それは、ディープキスだった。